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side. Subaru ドクン、ドクン────… 何だ、これは… 今意識を捨てられるなら、 いっそ身体ごと消えて無くなりたい。 なのに眼は、瞬きも出来ないほど固まって、 背ける事すら、叶わない。 ただ、受け入れ難い光景が… 両目を突き破り、脳内を浸していった。 「ンッ…────!」 全力疾走の果て、目を合わせた晃亮の、 悪戯な微笑。 俺の全てを見透かすような、 やけに子ども染みた行動のそれ。 視線で俺を縫い止めたまま、 隣りに座る円サンに手を伸ばし、抱き寄せると──… 彼の唇に、食らいついてた。 目の前の現実。 わざとらしい水音を立て、 見せつけるように舌を絡め味わう。 「んんっ…ふぅッ…───!!」 苦しげにもがき、逃げようとする円サンの髪を 乱暴に掴み、ねじ伏せれば。 恥辱と動揺、 そして恐怖の色をその瞳に浮かべて。 抵抗を、弱めた。 息をするのも忘れ、立ち尽くしたまま、 ふたりが繋がる箇所に釘付けにされる俺。 晃亮の眼はずっと、 俺を解放しては、くれなかった。 「ふぁッ…」 漸く解放されたソコはまだ、糸で繋ぎ留められていて。 晃亮が、赤い舌でぺろりと舐めとる。 円サンは身動きひとつ出来ず… 生理的な涙を浮かべ、茫然としていた。 「よく、聞け…」 それは誰に対するコトバなのか。 円サンも、晃亮の異様な空気を察したのか…。 張り詰めた表情で以て、見上げる。 「まどか。」 やっぱり、そういう事か… 「お前は─────」 解ってる。 俺が欲しがる事自体、間違ってたんだ。 これは命令。 「───────俺のモノだ。」 晃亮が望むなら、 そうあるべきなんだ…。 「え…」 常人にそれが理解出来る筈がなく。 円サンは露骨に困惑して。 けどそんな事は晃亮にとって、どうでも良いことで。 支配という名の下、 晃亮はもう一度、円サンの唇を塞いだ。 (円、サン────…) 愛しいヒトが、目の前で。 唯一、兄と慕ってきた人に、 奪われる。 生まれた時から、定められてた事。 神様はどこまでも 俺に、イジワルだ…

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