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side. kousuke 目覚めたら、隣の部屋に昴はおらず。 昨日ケンカをしたわけでもないのに、 すこしだけ深く眠れた自分に驚いた。 昔から寝つきが悪かったから、 限界まで身体を酷使しなければ、まともに眠れないようになっていて。 大体は嫌な夢を見せられ、うんざりしていたのに。 「……………」 記憶の奥底に、いつまでも居座り続けるガキの頃のイメージ。 どんなに成長しても、 よりずいぶん強くなっていても。 夢の中の俺は、ずっと無力で幼いままの姿で生きていて、 ぽっかり大きな穴をつくる。 もう、恐れるものなど無い。 それだけ、俺は強い。 己に向けられる理不尽を許さないために、 更に上を行く理不尽な力で、それを捩じ伏せる。 唯一、“オトナ”が教えてくれた生存方法。 逆らうなら従わせろ、 気に入らないなら壊してしまえ。 要るモノ、要らないモノ。 はっきり分けて、 あとはもう、どうでもいい。 クリアな意識で最初に浮かんだのは、 円の笑った顔。 キレイな昴と違って、 何の変哲もないフツーの男。 女にさえ、性処理くらいでしか興味を持ったことがないのに。 円にはそれ以上に何かを抱き、 脳がアレを“要るモノ”だと命じている。 自分が昴に向けているモノとは、 明らかに違う執着心。 (アイツも…?) 最近、どうも落ち着かない昴の態度。 それらは必ず、“円”の前でのみ見られるモノで。 「面白い、な…」 時刻はとっくに昼を過ぎていた。 ゆらりと立ち上がり、制服を手に取る。 「まどか…」 俺が望むなら、 何者も、歯向かうことは許さない。 アレは、俺の″オモチャ″。 ───────そうだろう、昴?

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