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side. madoka 「は、い…」 受け入れ難い内容のメッセージを受信後、 すぐさま鳴り出した携帯電話。 意を決し、7回目のコールで通話ボタンを押せば… 「っ…────!!」 それは“彼”が下す、 何度目かの、死刑宣告だった。 「あッ…イッ…アァ!!」 もうどれくらい、こうして抱かれているんだろうか。 それは消してしまたいくらいに、 身体へと刻み込まれた不毛な行為だったけれど…。 お世辞にも、彼からの愛情は微塵も感じられず。 ただ一方的に貪られるそれは、 身体以前に心が受け付けなくて。 「ひッ…アァ──────!!」 ずっと苦痛でしかなかったんだ。 何より耐え難いのは、徐々に″身体″が慣れ始めたコト。 最初は無理矢理に捻じ込まれ、激痛に血を流す日々だったのに。 回を重ねるにつれソコは、着実に。 彼によって馴らされていった。 「腰、揺れてるぞ…」 決して望んでなんかいない。 こんな事、もう止めて欲しいのに。 身体の作りは単純で、どんなに苦しく否定してみても。 脳は誤魔化され、それを『快楽』という都合の良いモノに置き換えてしまう。 痛くて怖くて死にそう。 なのに全てがオレを裏切って。 下半身は無情に膨らんで、 涎を垂らしバカみたく喜んでいるんだ。 有り得ない場所を、 彼の規格外に猛るソレで激しく突かれる度に。 どうにもならない苦痛が、欲しくもない快感へと、 無理やり(いざな)うのだった。 「いッ…ちがっ、アアッ…!!」 声もそう。情けない悲鳴の中に、どんなに耐えても少しずつ女の子みたいな色が含まれてきて。 首を振って否定してみても、 晃亮クンの下では何もかもが許されなかった。 「ふ…身体だけは正直だな…」 「はぁッ…く、うぅッ…!」 例え身体を全て支配されたとしても。 心だけは決して渡してはいけない。 だって、納得出来ないよ。 こんな事しちゃダメなんだ…絶対。 どんな感情で以て、 オレを抱くのかは解らないけど。 彼の横暴を、許すわけにはいかないんだ…。

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