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第七章・2

「解った。約束しよう」  響也は、麻衣の髪を優しく撫でた。 「今日、この時から。早乙女 麻衣は、飛鳥 響也の婚約者だ」 「ありがとうございます」  途端に、ホッとした表情になる麻衣が、健気だ。  その隙を突き、響也は三度目のキスを、麻衣に贈った。  今度は、深い大人のキス。  響也の舌は麻衣の唇を割って、その咥内に忍びこんだ。 「……!」  驚いて目を見開き、身を固くする麻衣の心の中が、見えるようだ。 (婚約者になったからには、容赦しないよ?)  ゆったりと麻衣の舌を絡めとり、味わう。  だが麻衣の舌は動かず、ただ響也に愛撫を任せるだけだ。  彼が唇を静かに離した時、麻衣はただ熱い息を吐くしかなかった。 「どうかな。これが、本当のキスだ」 「ふぅ、はぁ……」 「では。続きをしようか」 「え。続き、って」  考える間もなく、麻衣は響也に抱きしめられた。

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