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第十五章・3

「哲郎の入れ知恵なら、催淫効果のある媚薬とでも思ったかな?」 「ご、ごめんなさい!」 「いいんだ。説明しなかった、私がよくない」  それより、リラックスして、と響也は微笑みかけた。 「そして。両脚を開いて欲しい」 「あ、脚を」 「恥ずかしいか?」 「はい。でも……」  確かに、そうしないと響也を受け入れることはできない。  麻衣は、じりじりと少しずつ、脚を広げた。  響也は、我慢強くそれを待った。 「じゃあ、塗るよ。挿入の衝撃や痛みが、これで少しは軽くなるらしい」 「ありがとうございます……」  響也の大きな手のひらの温かさを、麻衣は両脚の内股に感じた。  マッサージをするように、ていねいに塗り、擦り込まれてゆくアロマ。  そして彼の手は脚だけではなく、形のよい双丘にも伸びて来た。  じっくりと臀部を撫でられ、揉まれるうちに、麻衣は再び快感のさざ波が立つ気配を感じた。 「響也さん。これ本当に、ただの精油ですか?」 「本当だよ。どうして?」 「ぼ、僕。僕、何だか、変な気持ちに……」  たどたどしく訴えてくる麻衣の目は潤み、唇は薄く開いている。  そんな麻衣に、響也はそっと小さなキスをした。 「それはね、麻衣。君が、感じてる証拠だよ。気持ちいい、ってことだよ」  そして今度は、ローションをたっぷり絡めた指を、麻衣の後膣に当てた。

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