74 / 230

第十五章・4

「あっ! あ、あぁ。くぅ、う……」 「力を抜いて。リラックスして欲しい」  私に、任せて。  優しい声で麻衣をなだめながら、響也の指は彼の蕾をほぐし始めた。  奥まで入れての愛撫は、やらない。  麻衣は、初めての純真な体なのだ。  その性感帯を拓くより、まずは受け入れることのできる準備の方が、大切だ。 「指、2本に増やすよ」 「はぁ、はぁ、あ……。は、はい……」  息も絶え絶えの様子の、麻衣だ。  彼の中心は硬く勃ち上がり、絶え間なく精をこぼしている。  脚を大きく広げ、指を噛んで耐えている。  赤く染まったまなざしで、こちらを見ている。  そんな扇情的な麻衣に、響也もまた、硬く張り詰めていた。  早く。  早く、一つになりたい。  麻衣と、一つに……!  だが響也は喉を一つ動かしただけで、穏やかに言った。 「麻衣。指をもう1本入れても、平気か?」 「は、はい……!」  響也は、耐えた。  我慢に我慢を重ねて、麻衣の体を慣らしていった。

ともだちにシェアしよう!