75 / 230

第十五章・5

 これで、いいだろうか。  麻衣の体は、響也によってずいぶんとほぐれた。 (もう、私が挿入っても、大丈夫だろうか) 「麻衣」 「……はい」 「よく、頑張ったな」 「え?」  響也の指が、麻衣の体内から去ってゆく。  終わりですか? と訊きたかった、麻衣だ。  しかし、体が疼いている。  もっと欲しいと、悲鳴を上げている。 (それに……)  息を荒げながら、朦朧とした意識の中、麻衣は思った。 (指を入れるだけじゃ、赤ちゃんできないよね)  そして響也が、その通りだ、と言わんばかりにペニスを掴み出している。  硬くそそり立ったそれが、今から麻衣の中に挿入ってくるのだ。 (あんなに大きいものが、僕の中に挿入るかなぁ)  不安はあった。  そんな麻衣の手を響也は握り、指を絡めた。 「痛かったり、苦しかったりしたら、正直に言うんだ」 「はい」  その手の温かさに、麻衣は改めてうなずいた。  大丈夫。  響也さんになら、全てを任せられる。  麻衣もまた指を絡めて手を握り返し、微笑んだ。

ともだちにシェアしよう!