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第十六章 幸せです

 響也は、これ以上ないくらい緊張していた。  慎重に腰を進め、握った麻衣の手に力が入ると、すぐに動きを止めた。 「……っく。うぅ、あ、あぁ……」 「麻衣、大丈夫か?」  太く、長く、そして硬い響也のものが、麻衣の柔らかな体内へと挿入ってゆく。  ローションの助けもあって、侵入は意外に滑らかに進んだ。  だが、麻衣の体が拒む。  意に反して腸壁が蠕動し、響也を押し出してくるのだ。  そうかと思えば、逆に吸い込まれそうな引きを感じる。  粘り、吸い付き、翻弄してくる。  そんな麻衣からもたらされる刺激に、響也はどんどん昂っていった。 「麻衣。何て体をしてるんだろうね、君は」 「響也さん。僕……、僕! あぁ!」  首を反らせて、麻衣が精を吐いた。  その隙をついて、響也は震える彼の奥まで埋め込んだ。

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