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第十六章・4

「う、ぁう。はぁ、は、あぁ。あっ、あッ、あぁあ!」  麻衣の甘い声が、そこら中にこぼれる。  その声を、華奢な体のわななきを、響也は残らずかき集めた。  集め、取り込み、自身の熱に変えた。 「麻衣。そろそろ、中に出すよ」 「あぁ、うぅ! ひぁ、あぁんッ! あぁ、あぁ、あぁ!」  麻衣の声のトーンが、どんどん高くなっていく。  切なさが、増していく。  そこに、響也は自らを解放した。  勢いよく、麻衣に注ぎ込んだ。 「あ! あぁ、あ……ッ! んあぁあ!」 「麻衣……」  彼の細い腰をしっかりと抱き、響也はこの上もない幸福感に満たされた。  ひくひくと痙攣する麻衣の体が、時折跳ねる。  絶頂の余韻が、大きな疼きを運んでくるのだろう。  そのさざ波が落ち着いたころ、響也は慎重に麻衣の中から去った。  後膣から、収まり切れなかった精が、とぷりと溢れる。  きれいな紅色の蕾に、傷は見られなかった。  それを見届けてから、響也は麻衣を広い懐に抱いた。  まだ荒い息を弾ませている彼を、大切に抱きしめた。

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