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第十七章 変わる響也

 朝、麻衣が目を覚ますと、隣に響也がいてくれた。 「おはよう、麻衣」 「おはようございます、響也さん」  二人は、自然にキスをした。  微笑みあい、新たな目覚めを分かち合った。 「どこか、痛い所は無いか?」 「大丈夫です」  洗顔し、身支度を整えながら、響也はそうやって麻衣を思いやった。  優しい言葉に、嬉しさがこみ上げてくる麻衣だ。  やがて笑顔で寝室を出た二人を、リビングで待ち構えていたのは、二人の執事たちだった。 「おはようございます、麻衣さま」 「おはようございます、岩倉さん」  そして。 「響也さま。結局執務に戻られず、しかも朝まで麻衣さまと同衾とは! 気がたるんでおられますぞ!」 「そう怒らないでくれ、服部」  今日は昨日の分、倍がんばるから。  そんなことを言う響也は、服部に背を押されながら麻衣の部屋から出て行った。  それを見送った岩倉は、麻衣に向き直った。 「麻衣さま。昨晩は、響也さまのお情けをいただけたので?」 「……はい」 「それは、良うございました」  では、朝の健康チェックを。  岩倉に促され、麻衣は診察室へと向かった。

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