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第十九章・4
響也は15時のティータイムをカットして、麻衣の元へと向かった。
今の時刻は、彼もまたお茶の時間だ。
「テラスには、いないか。寒いからな」
しかし、麻衣の姿はリビングやダイニングにも無い。
「茶室かな?」
響也は探して回ったが、その姿は何と医療スタッフの控室にあった。
「麻衣、こんなところに。どこか、具合が悪いのか?」
「響也さん」
傍にはスタッフの他に、哲郎までいる。
彼は、赤いサンタクロースの帽子を被っていた。
「麻衣くんの健康状態は、良好だよ」
「お前は何だ、哲郎。妙な格好で」
麻衣は、不機嫌そうな響也をなだめた。
「ごめんなさい、響也さん。一人のお茶が寂しいので、つい皆さんのところへお邪魔しました」
そして、この部屋は屋敷で唯一、ささやかながらクリスマスらしい飾り付けがされてある。
「それを、ちょっぴり味わいたくて。響也さんは、クリスマスはお嫌いでしたよね」
すみません、部屋へ戻ります、と席を立とうとする麻衣を、響也はとどめた。
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