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第二十章 赤ちゃんが欲しいなら

 サイドテーブルに置かれた、小さな金のツリーが揺れる。  響也の動きに併せて、かすかに揺れている。 「あ、あぁ、あ! 響也さん……ッ!」 「麻衣、出すぞ。いいな?」 「う、うぅ、あぁ! は、あ、はい!」  すでに、先走って精を吐いている麻衣は、大きく仰け反った。  途端に、体の中が熱くなる。  響也の子種が、全身を駆け巡っている心地だ。  腰を擦り付け合い、二人は余韻に浸った。  夢中で口づけ合い、少しずつ体から力を抜いていった。 「う、うぁ、あ。はぅ、ふぅ、うぅう……」 「そろそろ、セックスには慣れたか?」  少し意地悪な響也の問いかけに、麻衣は緩く横に首を振った。 「僕。僕は、まだまだです……」  素直な答えに、響也はひどく彼を愛しく感じた。  息を整える麻衣に、そっと触れて、その体を絹で拭き始めた。 「あ! 僕、自分でやります」 「いいから。麻衣は体を休めなさい」  恐縮する麻衣の体を拭いてあげながら、響也は考えていた。

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