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第ニ十章・4
翌朝、朝食をカットして、響也は麻衣の様子を見に行った。
二人で愛を交わした翌日は、朝一番に哲郎の診察を受けることになっている、麻衣だ。
診察室に入ると、そこには哲郎と麻衣が。
そして。
「何だ? なぜ、お前たちまでここにいる?」
診察室には、執事の岩倉と服部の二人も、控えていた。
「響也さまに、申し上げたいことがございまして」
「もう、黙って見過ごすわけには参りませんので」
怖い顔の、岩倉と服部だ。
そして、哲郎までもが、固い声音で言う。
「幼馴染の哲郎ではなく、麻衣くんの担当医・赤井の言葉として、聞いて欲しい」
奇妙な雰囲気の中、まずは哲郎が話し始めた。
「結論から言おう。このままでは、麻衣くんは妊娠できない」
「何ッ!?」
「それは、響也。お前に原因がある」
「……!?」
まさかの発言に、響也は絶句した。
彼が黙っているのをいいことに、哲郎は言いたいことをどんどん語った。
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