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第二十一章・4

 ベージュのジャケットに、明るいブラウンのチノパンを合わせた、大胆なコーディネート。  インナーにホワイトを取り入れて、清潔感を演出しつつ、ギャップのある配色で遊び心を感じさせる。  そんなスマートカジュアルを身に着けた麻衣を見て、響也はうんうんとうなずいた。 「素敵だよ、麻衣。さすが、ファッションセンスがある」 「スタイリストさんに、手伝ってもらいました」  かたや響也のスタイルは、全体をダークトーンでまとめた、色気を感じさせる大人な印象だ。  チャコールグレーのジャケットにカーキのチノパンを合わせ、落ち着いた雰囲気を装っている。  今日は、12月24日。クリスマス・イヴ。  招待状を送った、響也の兄・孝弥邸へお出かけの日なのだ。 「響也さんのお兄様って、どんな方なんですか?」 「うん……。まぁ、優しい男だ」  残念ながら、響也の両親は欠席だ。  要人に招かれ、海外へ渡航中。 「しかし、新年のご挨拶には、麻衣も私の両親に会わせたいな」 「いいんですか?」 「もちろんだ。君は、私の婚約者なんだから」  嬉しい響也の言葉だったが、麻衣は心中複雑だった。 (まだ赤ちゃんできてないのに、いいのかな……)  そんな会話を交わしているうちに、二人を乗せた高級車は孝弥の屋敷へ着いた。

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