106 / 230

第二十二章 告白と誓いと

 意外にも響也は、良き親戚のおじさま、だった。  兄、弟の娘たちには、ちゃんとクリスマスプレゼントを用意していたのだ。 「ありがとう、響也さん!」 「わぁ、可愛い!」 「きれい!」  響也からのプレゼントを見せ合いっこする子どもたちは、すっかり彼女らの世界に没頭している。  大人たちは、それを微笑ましく眺めながら、話をした。 「ありがとう、響也。今夜は訪ねてくれて。娘に、プレゼントまで」 「いえ。これまでお誘いを断ってばかりで、すみません」  こんな兄たちの会話に、三男の善哉(よしや)は疑問を抱いていた。 (なぜ、響也お兄様は。突然に孝弥お兄様を訪ねる気になったんだろう)  それに、顔つきが今までと違って見える。  いい意味で、円くなったような。  険が取れたような印象なのだ。  それは妻も感じたようで、そっと善哉に耳打ちしてきた。 「響也お義兄さま、何だかお優しくなられたわね?」 「そうだね。でも、良いことだと思うよ」  こんな風に、兄弟で仲良くやっていけたらいいな。  そう考えるのは、善哉だけではなく、孝弥も同じだった。 「響也。今夜は……、泊っていけるかい?」  今まで反発ばかりしてきた弟に、兄は恐る恐るお伺いを立ててみた。 「良かったら、甘えさせてください」  響也の返事に、孝弥は晴れやかな笑顔を見せた。

ともだちにシェアしよう!