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第二十三章 デートをしよう!

 一年ほど仕事を休んで、麻衣との妊活に専念したい。  そのため、兄の手助けが欲しい。  こんな響也の願いを、孝弥は快く受け入れた。  今まで反発してばかりいた弟が、初めて自分を頼ってくれたのだ。  その喜びは、ひとしおだった。 「安心して、麻衣くんとゆっくり過ごしてくれ。執務は、私に任せて」 「ありがとうございます、お兄様」  引継ぎの分担は、もう済ませてある。  重要事項の決裁を孝弥にゆだねることにして、響也は麻衣と共に自分の屋敷へと帰った。  25日、クリスマスの当日なので、響也邸はまだ飾り立ててある。  その一階エントランスに据えられた、大きなツリーの下で、響也は三人の男たちに休養を取る報告をした。  哲郎、服部、岩倉の三人だ。 「良かったな、麻衣くん!」 「響也さま。よくぞ御決断なさいました!」 「何という素晴らしい、クリスマスプレゼントでしょうか!」  三人は、我が事のように大喜びしてくれた。 「そこで。麻衣のフロアから、彼の荷物を私の部屋へ移動させて欲しいんだ」  これからは、別フロアではなく、共に暮らす。  そんな響也の言葉に、服部と岩倉は張り切った。 「お任せください!」 「早急に、手配いたします!」  ばたばたと二人は走り去り、哲郎だけが残った。

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