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第二十五章・4
哲郎の意見を聞いた後、響也と麻衣はリビングでその他のスケジュールを擦り合わせた。
「私は朝食の後、執務。10時に、ティータイム。その後、執務。昼食の後、執務。15時のティータイムの後、執務。夕食の後、執務。バスタイムの後、執務……」
就寝は、午前0時を回ってからだ。
そんな響也の、かつてのスケジュールに、麻衣は溜息をついていた。
「響也さん、働き過ぎです」
「そうかな?」
しかし、と響也は大きく伸びをした。
「これからは、仕事はせずに麻衣とゆっくり過ごせるんだ」
何をしようか。
何をやりたい?
響也は、麻衣に意見を求めた。
「僕は、響也さんの趣味を一緒にやったり、何か作ったりしてみたいです」
「私の趣味、か」
「何か、ありますか?」
ううん、と響也は唸った。
「スイミングは健康のためにやっているだけだし、ゴルフは付き合いでやっているだけだし……」
しばらく考えた後、彼はにっこりうなずいた。
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