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第二十六章 もういくつ寝るとお正月

 クリスマスの装飾が去り、新年を迎える準備が始まった。  麻衣も、リビングに飾ろうと、小さな門松の組み立てキットを手に励んでいる。  屋敷中が前進する活気に満ちている中、響也だけが頬杖をついて浮かない顔だ。 「響也さん。何か心配事でもあるんですか?」 「うん……」 「僕で良ければ、お話しだけでも聞きますけど」 「うん……」 「もう! 響也さん、ったら!」 「わぁ!」  麻衣に頬杖を払われ、響也は大きく体勢を崩した。 「どうしちゃったんですか? 最近の響也さん、何か変ですよ?」 「ああ、すまない。ちょっと、不安なことがあって」  僕で良ければ聞きます、と先ほどの言葉を繰り返す麻衣に、響也は打ち明けた。  それは、他ならない麻衣についての不安だった。 「年が明けたら、私の両親にご挨拶しに、本家へ行く。これは、前に話したね?」 「はい。僕も一緒に、連れて行ってくださる、と」  それが今になって、不安になってきた、と響也は語る。 「飛鳥の家はこれまで皆、アルファ同士の婚姻で栄えて来たんだ。だが……」 「僕がオメガだから、ですね?」  申し訳ない、と響也は弱気だ。 「麻衣は、聡明な子だ。私は全く、君に対する偏見は持っていない」  だが、響也の両親は、どうだろうか。  響也の不安は、そこにあった。

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