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第二十九章・4

『もし響也が駄目な息子で、麻衣くんを悲しませる結果になっても。飛鳥家は責任を持って、良縁を用意します』 「ありがとうございます。ですが……、僕は響也さんを信じています」 『まぁ』 「僕は、たとえ赤ちゃんを授からなくても、響也さんの傍にいたいのです」 『本当に、あなたという人は。響也には、出来過ぎたパートナーだわ』  あなたが傍にいてくれれば、響也も安心です。  今後とも、よろしくね。  そんな嬉しい言葉を残して、凛子は通話を終えた。 「岩倉さん。お電話、終わりました」 「麻衣さま……」  プライバシーを守るため、部屋の外へ出ていた岩倉に、麻衣は端末を手渡した。 「大丈夫でございますか?」 「はい。お義母さまは、とてもお優しい言葉をくださいました」  麻衣の笑顔に、嘘は隠れていない。  岩倉は安心して、退室していった。

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