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第二十九章・5

『赤ちゃんができなければ一年でお別れ、どころか。このまま添い遂げていただきたいと考えています』  凛子の言葉を思い出しながら、麻衣はミドリをブラッシングしていた。 「嬉しいな。僕、本家の御両親に、認めていただけたんだよ。ミドリ」 「ニャァ」  もちろん、子どもができるに越したことはない。  だが、義母にこのように言ってもらえたことは、麻衣の心にゆとりを与えた。  焦る気持ちが、軽くなった。 「麻衣、バスルームが空いたよ」  湯上りの響也が、リビングへ戻って来た。  ほかほかで、にこにこしている。 「響也さん」  その温かい体を、麻衣はゆっくりと抱きしめた。 『お電話のことは、響也には秘密。いいですね?』  凛子がそう言ったので、彼に今の気持ちを打ち明けることはできない。  だから、体で訴えた。  響也さん、大好きです。  この想いを、伝えた。 【多忙につき、明日2日(木)より数日間、休載させていただきます。あしからず、ご了承ください。<(_ _)>】

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