151 / 230
第三十一章・2
「本当に、すまなかった」
「もう、いいです」
体を流して露天風呂に肩まで浸かり、響也と麻衣は語らった。
湯は乳白色なので、麻衣の裸はもちろん見えない。
しかし、そっと外気に触れるなだらかな肩の線や、ほんのり染まっている白いうなじは、響也を充分に喜ばせた。
「30歳過ぎた大人の男が、まるで10代の少年のようにのぼせ上るとは、な」
「恥ずかしいけど、少し嬉しいです」
響也さんの理性を狂わせるほど、魅力が身についてきたのかな?
そんな風に、麻衣は考えたのだ。
しかし……。
「響也さん。あの、その。後ろ、当たってます……」
「申し訳ないが、我慢できないんだ」
麻衣は、響也の広い胸に背を預けてしゃがんでいる。
その尾てい骨あたりを、響也の硬くなったものがつついてくるのだ。
「これは生理現象だから、私自身にもコントロールできないんだよ」
そして響也は、麻衣の耳元で甘くささやいた。
「君が、あんまり素敵だから」
「響也さん……」
そのささやきに、麻衣の耳はひどく熱を持った。
ともだちにシェアしよう!