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第三十一章・2

「本当に、すまなかった」 「もう、いいです」  体を流して露天風呂に肩まで浸かり、響也と麻衣は語らった。  湯は乳白色なので、麻衣の裸はもちろん見えない。  しかし、そっと外気に触れるなだらかな肩の線や、ほんのり染まっている白いうなじは、響也を充分に喜ばせた。 「30歳過ぎた大人の男が、まるで10代の少年のようにのぼせ上るとは、な」 「恥ずかしいけど、少し嬉しいです」  響也さんの理性を狂わせるほど、魅力が身についてきたのかな?  そんな風に、麻衣は考えたのだ。  しかし……。 「響也さん。あの、その。後ろ、当たってます……」 「申し訳ないが、我慢できないんだ」  麻衣は、響也の広い胸に背を預けてしゃがんでいる。  その尾てい骨あたりを、響也の硬くなったものがつついてくるのだ。 「これは生理現象だから、私自身にもコントロールできないんだよ」  そして響也は、麻衣の耳元で甘くささやいた。 「君が、あんまり素敵だから」 「響也さん……」  そのささやきに、麻衣の耳はひどく熱を持った。

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