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第三十一章・3
麻衣は恥ずかし気に身をよじっているが、嫌がっている風ではない。
響也が、その愛らしい耳たぶを、そっと噛むと。
(あ、ダメ。ぼ、僕も……、勃ってきちゃう!)
わずかに前かがみになった彼の体の変化を、響也は感じ取った。
「麻衣……」
耳を食み、うなじに舌先を滑らせて、肩に甘く歯を立てる。
「い、いけません、響也さん。お湯を、汚します!」
響也のものは麻衣の体内に収まるのでいいとして、麻衣の精は二人が浸る湯の中に出されてしまう。
自分は我慢して響也の愛撫を受け止める自信など、麻衣にはなかった。
「僕。僕、きっと何度でも、出しちゃいます!」
「かけ流しだから、大丈夫。外に、流してしまえばいい」
「そ、そんな。あ……!」
問答をする間も、響也の先端が浮いた麻衣の後ろをこじ開け、侵入してくる。
「くぅ、う。ひゃぁ、う!」
少しだけ忍び込んだ麻衣の体内に、響也は湯とは違う質の温かさと粘りを感じた。
「麻衣。君のここから、オメガの体液が出ているようだ」
「え……?」
発情期を迎え、妊娠の準備が整ったオメガは、その秘所から滑らかな体液を分泌する。
麻衣は今まさに、響也の子種を受け取るだけの体が出来上がったのだ。
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