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第三十六章・3

「まずは、挿入だ。私のものを、手にして」 「はい……」 「君の後ろに当てて、ゆっくり挿れる。その後、なじませるように、腰を前後に動かす」 「い、挿れて……、なじませるように……、腰を前後に……」  幸い響也の中心は、滑らかに麻衣の中へ埋め込まれていった。  しかし、もうそれだけで麻衣は、真っ赤になっている。 「こ、こんな、奥……、まで……ッ!」 「麻衣。麻衣、大丈夫か? 腕を伸ばして、私の手を握って」 「はい!」  先漏れの体液で響也の腹を濡らしながら、麻衣は彼の手に指を絡ませた。  体重を響也が支えてくれるので、ずいぶん楽だ。 「巧いよ、麻衣。そのまま腰を、大きく前後にグラインドさせて」 「あぁ、はぁ、はぁ。……はい」  ぎこちなく動き始めた麻衣は、震え、悶え、精を吐きながら必死で施してくれる。  その姿は、これまでにない興奮を響也にもたらした。 「あ! うぅ、あ! はぁ、あ!」 「今、いい所に当たった?」 「うぅ……。意地悪です……」 「素敵な眺めだ。欲情して、血管が切れそうだ」  響也をイかせるどころか、自分で自分を追い詰めている麻衣だ。  息も絶え絶えの彼に、響也はとどめを刺してあげることにした。

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