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第三十九章・4

 夏祭り会場の外れ、使用しない器材などが置かれた場所へと、麻衣は連れてこられた。  そこには、金髪の若者と同様、下品でだらしない身なりの男たちが、数名たむろしている。  その中の一人が咥えた煙草を吐き捨て、へらりと笑った。 「何だよ、ヤス。やけに可愛い子、連れて来たな」 「一目見た時から、ずっと様子をうかがってたんだよ」  その会話から、麻衣はすぐに悟った。 「響也さんのことは、嘘だったんですね!?」  おそらく、このヤスと呼ばれた男は、響也と麻衣の会話を聞き取り、互いの名前を知ったのだ。  そして、はぐれたところを見計らって、麻衣をここにおびき寄せた。 「僕、失礼します」  すぐに振り返って走り去ろうとしたが、そこにはすでに男の仲間が二名で道をふさいでいる。 「いいじゃねえか。皆で、楽しもうぜぇ」 「録画セット、完了!」  いやらしい笑い声に、麻衣の肌は粟立った。 (この人たち、僕を……!)  いかがわしい男たちは、次第に麻衣に近づいてくる。 (響也さん!)  彼の笑顔を想うと、こんな悪党どもに汚されるわけにはいかない。  麻衣は、覚悟を決めた。

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