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第四十一章・3
これが資料です、と麻衣が取り出した封筒の中からは、プリントアウトしたミドリの写真が、どっさり出てきた。
「すごいな。こんなに、たくさん」
数が多いばかりではなく、様々な角度から、いろんなポーズが撮ってあった。
無防備な格好も多く、それだけこの猫が麻衣に心を許していることが、うかがえる。
(身も心も麻衣のものになってしまったのは、私だけではない、ということか)
微笑みながら、響也は粘土を手にした。
「土は、どれくらい?」
「150gほどで。少な目でいきましょう」
粘土を丸め、四か所つまんで足を作る。
押しながら、胴体と頭の部分にわけていく。
足や首、尾を伸ばす。
「あまり細く長くすると、焼く過程で折れてしまうぞ」
「それは、気を付けないと」
そうするうちに、ようやく猫らしい形が整った。
お次は、顔だ。
作品自体が小さいので、細かい表情は付けられない。
顔に二か所穴をあけ、そこにヘラで押し付けながら目を埋め込む。
「目を入れると、やはり生き生きしてくるな!」
「ミドリに似てる気がします!」
一つ出来上がると、また一つ作りたくなる。
二人は笑い合いながら、再び粘土を手にした。
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