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第四十二章・4
何だか今夜の麻衣は、少し大胆だな。
自分からバスルームに誘ってきた彼を、響也はそんな風に思った。
しかし、衣服を脱いだ麻衣は、恥じらって腕で素肌を隠している。
(やっぱり、いつもの麻衣だな)
響也はすっかり油断して、脱衣所から浴室へと入った。
すると、その途端。
「響也さん、あの……。洗いっこ、しませんか?」
「え!?」
見ると、麻衣の手には、すでにボディソープが。
やはり、今夜の彼は大胆だ!
戸惑う響也に、麻衣は上目遣いを寄こしてくる。
「ダメ……、ですか?」
「い、いや。いやいや、ダメじゃない」
やろう。
ぜひ、やろう。洗いっこ!
二人で、広いクッションフロアに置かれたバスチェアに腰掛け、互いにソープを泡立てる。
「響也さん、どこから洗って欲しいですか?」
「え? ああ、そうだな。じゃあ、首から」
きめ細やかな泡をすくった麻衣の手が、響也の首筋を滑る。
その滑らかさだけでなく、どこか上気した麻衣の表情に、くらりと来た。
(何と言うか、こう。そそられるものが、あるんだ)
お返しに、響也も麻衣の白い首を愛撫する。
「くすぐったいです」
「じゃあ、首は終わり。今度は、肩を洗うよ」
首から肩。そして、腕に、胸に、腰。
互いに触れ合ううちに、ついには肌を重ねた。
全身シャボンだらけで、身をくねらせて愛し合う。
「あぁ、あ。響也さん、僕……。うっ、あ。はぁ、あぁ!」
それで麻衣は、先に達してしまった。
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