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第四十二章・5

「ごめんなさい、響也さん。僕、こんなはずじゃ……」 「大丈夫か? のぼせていないか?」  響也に、シャワーで体を流してもらいながら、麻衣は荒い息を吐いていた。  しかし、感じていたのは彼だけではない。  響也もまた、新鮮な興奮に体を熱くしていた。  中心を、じっと見つめてくる麻衣の視線も、刺激的だ。  すっかり勃ってしまった響也に、彼はまた挑戦してくる。 「……響也さん、元気になってますね?」 「ん? まぁ、それはそうだ」  麻衣が、何だかセクシーだから。 「今夜の君は、とても魅力的だよ」  響也の言葉は、再び麻衣に火を点けた。 「じゃあ、響也さん。あそこで……」  麻衣の指さした先は、浴室に隣接する、スチームルーム。  家庭用サウナだが、充分な広さがあるうえ、二人横たわれるほど大きなベンチも備えられている。 「麻衣、本気か?」 「僕、もう我慢できないんです……」  潤んだまなざしに、響也も我慢できなかった。 「本当に。今夜の君は、魔物だよ」  甘いキスを交わし、二人は立ち上がった。

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