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第四十五章 この恋は運命

 響也と麻衣を本家で待っていたのは、三名の年長者だった。  その顔触れに、麻衣は目を円くした。 「お父様、どうしてここに?」 「飛鳥さんが、ぜひにと呼んでくださったんだよ」  響也の両親の他にいたのは、麻衣の父親だったのだ。 「早乙女家の大切な御子息を、一年間も預からせていただいたんだ」 「響也の報告は、麻衣くんのお父様のお耳にも入れないと」  そう、飛鳥の両親は語る。  麻衣は、その気遣いに感謝し、そして背筋の伸びる思いだった。 (これは響也さんと僕の二人だけの話じゃなく、両家にとっても重要なことなんだ)  そんな年長者たちに一礼し、響也は報告を始めた。 「結論から、申し上げます。残念ながら、私と麻衣くんとの間に、子どもを授かることはできませんでした」  麻衣は、身がこわばった。  気を、強く持ったつもりだった。  覚悟を、決めたつもりだった。  だが、こうハッキリと響也の口から公言されると、震えた。

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