228 / 230

第四十六章・4

 大勢の使用人たちの陰から現れて来たのは、響也の両親。 「お父様、お母様!」  そして、麻衣の父親。 「お義父さままで!?」  さらに、両家の兄や弟、姉に、その子どもたち。 「これは、参ったなぁ」  ファミリーが全て揃って、誕生日を祝いに来てくれた。  響也は、そう思ったのだ。  最後に、医師・哲郎。  そして、麻衣が現れた。  麻衣は、バラをメインにした花束を、手にしていた。  淡いブルーとホワイトのバラに、カスミソウやブルースターが散りばめられた、可愛らしいブーケだ。 「これを、私に?」 「はい。響也さん、お誕生日おめでとうございます!」 「私にしては、少し可愛い花束だね」  意外な色の取り合わせに驚きながら、響也はブーケを受け取った。 「それから、報告があります」 「報告? 何だろう」  驚かないでくださいね?  いや、もうすでに、色々と驚いているんだが。  そんなやり取りの後、麻衣は響也に打ち明けた。 「僕、赤ちゃんができました!」

ともだちにシェアしよう!