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「そんなビビんなよ」  ポンポンとその頭を撫でて靴を脱ぐと伸びをして階段を上がる。  焦らせても仕方ない。  必死に言い聞かせながら昂りを抑えつけた。  なのに、キュッと服の裾を引っ張られて振り返ると、靴も脱ぎ捨てて揃えもしないまま俯いている宮部。 「ごめんね……」 「くそっ!!」  宮部の手を外すとダンッと飛び降りて右足だけを一段目にかけていた宮部の肩を掴んでこっちを向かせる。 「え?」  びっくりしている宮部の後頭部に手をやってその口を塞ぐとそのまま舌も挿し込んだ。 「ん……ちょっ……ふっ、んっ」  一気に深くしてその舌も絡め取る。  ジュッと混ざった唾液を飲み込んで離れると、宮部はペタンと座り込んだ。 「大丈夫か?」  しゃがんで覗き込むと、宮部は口の端に唾液の跡を残したまま少し息を乱している。  ズクンと熱が集まるのを感じて慌てて立ち上がると俺はクルッと背を向けた。  あれ以上やってしまうのはマズい気がする。  落ち着けて振り返ると、宮部はまだ少しぼーっとしていた。 「……とりあえず、買い物?それかちょっと休むか?」  手を差し出しても照れたように顔を隠す宮部を無理矢理立たせる。  ギュッと抱き寄せた俺の腰に僅かに感じた硬さに驚く間もなく宮部が俺を突き飛ばして階段を駆け上っていった。 「え……?」  あれは確かに……。  初めて宮部のそんな姿を見て俺はドキドキを止められそうもない。  勃ったあいつを見ただけで完勃ちとか……どうするんだよ。

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