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「宮部、俺、買い物も行ってくるから要るものあったらメッセージでも送って」  さすがに十八時近くなって、軽く宮部の部屋に声をかけてから玄関で靴を履いているとトントンと階段を降りる音がした。 「僕も行くよ」 「おう」  メガネをかけたいつも通りの宮部。  だが、ちょっと距離があるのはさっきのせいか。  それでも俺たちは少し歩いたところにあったスーパーで食材を買うと、それなりの重さになってそれぞれ袋を持ちながら歩いていた。 「暮らすのって結構色々要るのな」 「そりゃそうだよ。百華(ももか)さんと静華(しずか)さんが色々揃えてくれたけどそれがなかったらもっと大変だったよ」  とりあえず今回は避けられなかったことにホッとする。  百華は俺の母さんで、静華は俺の姉ちゃんだ。  しょっちゅう家には帰れずファミレスで時間を潰していた宮部も俺の家で暮らすようになって少し雰囲気が柔らかくなった気がする。 「えっと、鍵……」  アパートに着いてポケットに手を突っ込むと、 「あ、もしかして、昨日引っ越してきた人ですか?」  宮部の後ろからは同じように買い物袋を持った黒髪の男が歩いてくるところだった。 「あ、俺、二〇一の佐伯(さえき)雄吾(ゆうご)です!もう一人、戸川(とがわ)創介(そうすけ)ってのと一緒に住んでます!」 「俺たちは俺が村瀬琉生(るい)でこっちが宮部聖人(せいと)です」  人当たりの良さそうなその笑顔を見て俺も笑顔を返して簡単に自己紹介をする。

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