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11、第2話「新生活」

 バタバタと引っ越しの荷物を片付けて要るものを買い揃えているうちに大学は入学式を迎え、俺も宮部もすぐに新生活になった。  洗濯を干すベランダとか買い物に出たスーパーで度々顔を合わせた雄吾さん。  明るい茶髪でやっぱりイケメンの創介さんと一緒なこともちょいちょいあって、俺たちはアドバイスをもらって自転車も買った。  確かにちょっと大学までは距離があったし買い物も楽だ。  俺はわからないことはすぐに雄吾さんたちに聞いたし、雄吾さんと仲のいい先輩が俺と同じ現代社会学部だったらしくて履修登録のアドバイスももらったり順調な大学生活をスタートしている。  宮部はどうなのか……と思っていると、『今日は遅くなるから夕飯は一人で食べて』なんてメッセージが届いて俺は叫びながら慌てて電話をかけた。  なのに繋がらない電話。 「くっそ!!」  スマホを握ったままやり切れないイライラと焦りと心配で落ち着かない。  何で遅くなる?  夕飯もって……誰かとどっか行くのか?  誰と!どこで!? 「あ"ーーーっ!!」  髪を掻き乱して空を仰ぐと笑い声が聞こえて振り返った。  そこに居たのは雄吾さんと創介さん。 「琉生くん、どったの?」  見られていたことを恥ずかしいと思いつつ言葉に詰まっていると、雄吾さんは自転車の鍵を出して笑った。 「なぁ、今日買い物って行くか?」 「いえ」  首を振ると、雄吾さんはじっと創介さんを見る。 「……わかった。ただし飲むなよ」 「えー」 「未成年!」  口を尖らせた雄吾さんを睨みつつ創介さんに俺の肩を叩かれて、よくわからなかったが確かにまだ十八の俺はコクコクと頷いた。

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