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大学終わり……慌てて教室を飛び出すとそのまま自転車で駅に向かう。
駅から本当にすぐのその店の近くで自転車を停めるとそっと中を覗いた。
ガラス張りになっているが見えるドアの向こうは限られている。
そっとドアを開けると、
「いらっしゃいませー!」
向けられたとびきりの笑顔に思わず固まった。
柔らかそうな色素の薄い茶髪に青く澄んだ瞳。
「あれ?琉生くんも来たの?」
聞き覚えのある声にハッとすると、そこには笑っている創介さんが居た。
「とがの知り合い?」
かわいらしい店員は少し首を傾げて俺たちを見上げる。
「うちのお隣さんで、昨日入った聖人くんのルームメイトですよ」
創介さんは笑って俺を席に案内してくれた。
「たまたま?それとも……聖人くんが気になって?」
「えっと……」
水を置きながら微笑まれてちょっと言葉に詰まる。
「さっき聖人くんも来て着替えてたからすぐに来ると思うけど?ほら!」
カウンターの方を見た創介さんにつられて見るとかわいいあの店員とちょうど話している宮部が見えた。
宮部も気づいたらしくてなぜか少し身を隠す。
淡いグレーのシャツに焦げ茶のネクタイ、黒のスラックスに腰からは黒いロングエプロン。
何より驚いたのは宮部がメガネを外していること。
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