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「雄吾、莉音をからかうな」  スッと低い声がして俺がビビっても雄吾さんは笑っている。 「えー?結局、何か道具も使うようになったんですか?」 「んな訳あるかっ!!」  質問を止めないと、莉音さんは真っ赤なまま叫んだ。 「まぁ、買うだけならちょっと買ったけどな」 「えー!?何を!?」 「大和ぉっ!!余計なこと言うんじゃねぇよ!」  ぽつりと大和さんが呟いたのにも雄吾さんが反応をすると、莉音さんはもう怒鳴って大和さんの口を手で塞ぐ。 「えー。オススメ持って来ましょうか?見ます?」 「見ないっっっ!!」 「琉生くんは見たいよなぁ?」  急にこっちに振られて焦ると、創介さんの右膝が雄吾さんの後頭部に打ち付けられた。 「ったく、困らせんな!」  創介さんはカラフルな手まり寿司を並べた皿を持っていて、その後ろで話を聞いてしまったらしい宮部が真っ赤な顔でクラッカーが並んだ皿を持っている。  顔が赤いってことは……宮部も今の会話の意味がわかったのか?  意外……と思いつつその手から皿を受け取ってテーブルに置いてから手を掴んで引っ張ってやった。 「わっ!ちょっ……」  カクンとバランスを崩す宮部の手を更に引いても、宮部は俺の腕の中に飛び込んでは来ずバランスをギリギリ保って俺の目の前に座る。  無言で見つめると、宮部は目を逸らして赤い顔のまま料理を見つめた。

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