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「ちょっ!!」
真っ赤になった宮部を見て不思議に思いつつ、興味を示した莉音さんにも見せていると莉音さんもすぐに真っ赤になる。
「え?」
再び受け取って宮部に聞いても宮部は指をさすだけで何も言わないし、こっちを見ない。
「雄吾、フザけ過ぎ」
雄吾さんにデコピンしている創介さんを見てから額縁をしっかり持って見つめると、そのハートに見えたのはピンクで書かれた“初エッチ”の文字デザインだった。
「え……」
ゆっくり雄吾さんを見るとにっこりと微笑まれる。
「頑張れっ!」
両手を胸の前で握る雄吾さんを創介さんが肩を掴んで後ろに引っ張った。
「だから、要らん世話焼くなっつの」
「いや!めっちゃ必要なことだろ!な!琉生くんっ!」
急に振られて返答に困る。
「え!下ネタ嫌い?」
「嫌いではないけど……」
言いながら宮部を見ると宮部は真っ赤に茹で上がったようだった。
「こいつには刺激強過ぎるんでお気持ちだけ」
笑いながら宮部にコーラを渡して俺もりんごジュースを口にする。
「もう黙ってろ」
何か言いたそうな雄吾さんの口を手で塞いで片手を伸ばした創介さんは手まり寿司をそのまま雄吾さんの口に放り込んだ。
「大丈夫か?」
「うん……ありがとう」
空いたグラスを受け取ってテーブルの下でそっと手を繋いでやる。
手を握れただけ嬉しくて、宮部が逃げないだけで今の俺にとっては十分だった。
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