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 昼休憩を宮部と一緒にもらったのだがなぜか宮部の機嫌があまりよくない。 「疲れたのか?」  奥の小窓から店長が出してくれたサラダとボロネーゼをテーブルに置いても宮部はこっちを見ないで水とスープを取りに行く。 「……なぁ」  声をかけると、チラッとこっちを見てまた目を逸らした。 「怒ってんのか?」 「……違うよ」  イスに座ってギュッと膝の辺りを握っている姿はどう見たって何かに耐えているとしか思えない。 「宮部?言ってくれねぇとわかんねぇって」  イスを寄せてその肩に触れると宮部は顔を上げた。  その顎を掴んでこっちに向かせる。 「何?」  首を傾げて微笑むと宮部は少し赤くなって目を泳がせた。 「ちょっ、離……して」  消え入るような声を聞いて顎を解放する代わりに手を繋ぐ。 「……色んな女の人に……カッコいいって言われててちょっと……おもしろくなかっただけ」 「それは……妬いたのか?」  思わず繋いだ手に力を込めた。  プイッとそっぽを向いたその姿が愛おしすぎる。 「お前しか見てねぇって」 「佐倉さんのこともかなり見つめてる」  ジト目を向けられて対応に困った。確かに何度かドキッとはしたから余計に。 「あ、いや……」  すぐに否定しなかったのが悪かったのか宮部はちょっと唇を突き出してため息を吐いた。 「好きなのはお前だって」 「……」 「証明すればいい?」 「どうやっ……」  こっちを見た隙にその唇を塞ぐ。 「んっ……ここで……は、嫌だ……」  離れた宮部は真っ赤な顔で呟いた。

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