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 部屋に戻ると宮部はベッドの端できっちりと足を揃えて座っていて思わず笑ってしまう。 「緊張しすぎ」  宮部にも持ってきたグラスを差し出すと、宮部はゆっくり口をつけて長く息を吐き出した。 「寝るか?」  そのグラスを受け取って机に置くと宮部に尋ねる。  またカチンと固まった宮部の頬に軽くキスをした。  最近、バイト中と家ではメガネをしなくなったからか目元が少し緩むのもよく見える。 「また勃ってももう気にするなよ」  言いながら壁際に寄せたベッドの奥に宮部を促すと宮部はまたギクシャクと変な動きをした。 「むしろ、お前は勃たねぇのな」 「それどころじゃないんだよ!」  布団を掛けようとしていた手を止めて宮部の下半身に目をやると思いっきり顔面を叩かれる。 「痛ってぇ……」  両手で顔を押さえると宮部はクルリと背を向けて壁際で縮こまった。 「ごめんって。ちゃんと待っててくれてありがとな」  今度こそちゃんと布団をかぶりながら後ろから宮部を抱き締める。 「何言って……」 「部屋に戻らないでここに居てくれて嬉しい」  また力の入っていた宮部は俺が擦り寄るとゆっくり息を吐き出した。  回した俺の手にためらうように触れる。  こっちを見てはくれないがそれだけでも十分だと俺は確かにある腕の中の温もりを感じながら目を閉じた。

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