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 朝、左腕に感覚がないことに違和感を覚えつつ確かにある温もりにほっとしながら顔を寄せる。  しかし、抱きまくらとは違う硬さに目を開けると、変に縮こまっている宮部の背中が見えた。 「はよ。……ってか、もしかして……寝てないか?」  少し体を起こして覗き込むと宮部はフルフルと首を横に振る。 「嘘つけ。寝たって顔じゃねぇよ」  抱き寄せて頭をしっかり包むと、宮部はやっと少し身体の力を抜いた。 「悪ぃ。俺だけ気持ちよく寝てちゃダメだよな」  そのこめかみにキスをすると宮部はゆっくりこっちを見る。 「……僕が一人で緊張してただけだよ」 「まだ早いし少し寝るか?俺が朝飯作るから」  俯いて顔を隠す宮部の柔らかい黒髪を撫でた。 「それなら……ここで寝てもいい?」  俺の腕から離れて宮部はボスッと枕に顔を埋める。 「ん?いいけど?」  ベッドから足を降ろして立ち上がろうとすると、 「村瀬くんの匂い……不思議と落ち着く」  ふふっと笑う宮部を見て俺はギュッと自身の短パンを握り締めた。  これ、煽ってる……だろ?  かわいすぎる宮部は目に毒でしかなくて、俺はさっさと立ち上がると部屋を出てとりあえずトイレへと走った。

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