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「たぶん僕よりとがの方が参考になるよね?」  俺の目の前には佐倉さんで、その横には創介さん。 「俺ですか?」  フォークを手にとっていた創介さんはモンブランを一口食べて考える。 「だって、ずーっと……何年?手出さずに耐えてたじゃん」  パクッと佐倉さんも食べるその姿はちょっとかわいくて俺は黙ってアイスコーヒーを口にした。  さっき絡められて微かに残っていたあの細い指の感覚も冷やされて冷静になっていく。 「それは付き合ってないどころか幼なじみだし親友だったんで……」 「僕ならすぐ喰うって言ってたのに健気に身の回りの世話して、雄吾くんに近づく女はただ排除してたじゃん?あれ?でも、ヤっちゃったのが先?」  かわいい顔をしているのに聞こえてくる言葉はどれも衝撃的で困った。 「……違います。いや、まぁ、手は出したけど酒のせいなんでそれは琉生くんにはオススメできないですよ。さくさんもでしょう?」  深い息を吐いて創介さんはアイスコーヒーを片手に横目で佐倉さんを見る。 「あー、そっか。僕もお酒だねぇ。酔ってる店長をおいしく頂いたから」 「雄吾も店長も酒弱いですからねぇ」  しみじみと言う創介を見てこの前の酔っていた雄吾さんを思い出した。 「宮くんは意外と強そうだよね!」 「飲ませちゃダメですよ」  食い気味で創介さんが睨む。 「わかってるよぉ!まぁ、勢いに負けず耐えてきたんだからそれはもう思いっきりグズグズにしたいでしょ?」  にこにこ笑いながらこっちを見た佐倉さんはパチンとウインクをした。

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