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「ぐ、グズグズ……って言いますと?」  やたら喉が乾いてアイスコーヒーばかり口にする。 「キスは?」 「さすがにしますよ」  答えると佐倉さんは微笑んでスルリとネクタイを外した。  ポンとテーブルに置いてボタンも二つほど外す。  くっきりと浮かんだ鎖骨がわずかに見えてちょっとドキッとした。 「キスしても軽くだけ。舌は入れない」 「は?」 「軽くハグはしてもしっかり抱き締めない」 「え?」  創介さんに助けを求めるように視線をやっても創介さんはむしろ立ち上がって行ってしまう。 「宮くんからもっとキスしたい。ちゃんと抱き締めて?って言わせようよ」 「さくさんでもそんなこと考えるんですね」  戻ってきた創介さんは水の入ったグラスを持って現れた。 「んー?僕だって雅美さんに手を出さないで我慢したことだってあるし……|留学《イギリス》から帰って来た時なんかは凄かったよ?」 「あれは一年離れてたからでしょう?」  創介さんは佐倉さんにも水を渡してやっとイスに座る。 「僕は雅美さんには結構駆け引きしたからね!自分から『抱いて』って言わせたくて」  テーブルに両肘をついてそこに顎を乗せた佐倉さんはにこにこと笑った。 「店長がそんなこと言う訳ないじゃないですか」 「一人で慰めてみて泣いてたことはあるよ」 「は?」 「雅美さん、一人ではイけないから」  ニヤリと笑う姿を見て俺も創介さんも言葉を失う。  何か聞いてはいけないことを聞いてしまった気がした。

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