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「でも、童貞っぽくは見えないのにね」
「だから、仕込んでやりたくなるだろー?」
男が笑うと、祠堂さんも結局笑いながらまた同じことを口にする。
「祐太朗さん、玉ごと潰すよ」
男の声が一気に低くなると、祠堂さんはピタッと動きを止めて口を閉じた。
「……ルイくんはタチなんだよね?それならさぁ……」
目を少し細めつつこっちを見られて嫌な予感しかしない。
「ルイくん、俺のに挿れてみる?」
「おいっ!」
「祐太朗さんはただ見てなよ。触らせないよ」
途中で祠堂さんが止めてもそっちには冷ややかな目をやるのみで、こっちに微笑みを向けてきた。
「やめなって、琉生くん困ってるから。それに大事な大事な本命の宮くんが不安そうだから解放してあげてね」
ため息を吐いた佐倉さんが俺の肩に手をついてやっと助け船を出してくれる。
ペコリと頭を下げて急いでキッチンの方へ戻ると、創介さんに肩を叩かれてケタケタと笑われた。
「いや、笑ってないで下さいよ」
やたら気疲れしていてカウンターに凭れ掛かると、本当に少し不安そうな宮部が隣にやってくる。
「ん?どうした?」
いつもより近い気がして不思議に思っていると、
「もうすぐ終わりでしょう?今日、一緒に買い物行こう」
それだけ言って宮部はトレーを持ってフロアに出て行った。
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