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「何、指だけで中イキ狙ってんの?」
「そこまで解したら初挿入でも痛みないですかね?」
かわいく首を傾げる佐倉さんに創介さんも顎に手を置きながら少し考える。
佐倉さんは前髪を掻き上げてイスに深く座った。
「やっぱ痛いんじゃない?僕ら受けたことないから誰も答えは持ち合わせてないけどさぁ……」
佐倉さんはパッと右の手のひらを出して俺たちを見る。
「……これより太いし長いじゃん?痛いだろ?」
真ん中三本を合わせたその指が生々し過ぎて、さすがの俺でも顔を覆いたくなってきた。
「それか……雅美さんに聞こっか!」
笑って立ち上がった佐倉さんが奥の小窓を開けるとほぼ同時に凄い勢いで拳骨が飛んでくる。
「いったぁ……聞いてたんなら……」
「仕事中にくだらんこと言ってねぇで早く戻って来い!クソがっ!!」
竦み上がるほどの怒声なのに佐倉さんはニコッと笑った。
「ごめんなさい。でも、今夜……挿る時の感じ、ゆっくり挿れるから教えてね」
フワッと色香を足して佐倉さんはサッと出窓のカウンターから離れる。
「戸川はもうちょいゆっくり休んでていいし、琉生くんはこのままあがっていいからね!本当、助かったよ!ありがとうね!」
そのまま伝票の束を手にすると俺の側に紙袋を置いて佐倉さんはスタッフルームを出て行った。
紙袋を覗くと中にはこの店でも出しているドーナツとフィナンシェが二つずつ。
「やっさし……」
何だかんだ居心地のいいこの店が好きだ。
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