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 食器を片付けて大学に戻るために着替え始めると、ドアが開いて顔を出したのは宮部。 「え……?」  びっくりしている宮部に手を振ると、創介さんが少し笑う。 「いや、それじゃわかんないだろ」 「あ、そっか!芳井さんが来れなくなって、俺はちょうど休講になってたからヘルプに来てただけ!今から大学戻るから、宮部はこれから頑張れよ!」  戸惑いながらも入って来たその肩に手をつくと、宮部は少し恥ずかしそうに俯いた。 「?どうしたんだよ?」  聞いてみると、宮部は少し背伸びをして俺の耳に近づいてくる。 「もしかして……また相談とかしてないよね?」 「……」  こしょこょと小声で言われたそれに答えられずにいると、宮部は俺の耳元から離れてパシンと俺の腕を叩いた。 「そういう恥ずかしいこと晒すの止めてくれる?」 「だって……早く最後までシたいだろ?」 「僕ららしくって言ってたじゃん」  ゴニョゴニョと口を尖らせる宮部にキスをしてやりたくなりつつ抱き寄せる。  すると、背後で咳払いが聞こえた。 「俺もさぁ……雄吾の後ろいじり始めてから結局ヤるまでは約一ヶ月かけたから焦らずに……とは思うぞ」  こっちを見て笑ってから創介さんはグラスの水を飲み干す。 「一ヶ月!?」 「痛くしたくないって琉生くんの気持ちはめっちゃわかるよ。でも、それだけ掛けても痛み全くなし……とはいかなかった」  雄吾さんから聞いたことがあるのか意外と宮部の反応はない。  ただ、俺だけが衝撃を受けていた。

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