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「何言って……」
「信じてねぇの?」
ちょっと吐息を吐きながらその耳に舌を這わせる。
「ちょっ……んっ……」
宮部も少し息を弾ませて薄く目を開いた。
その頬にキスをしてから唇を塞ぐ。
何度も角度を変えていると、宮部の口も僅かに開いた。
その隙に舌を捩じ込むと、しっかり絡めて吸う。
しばらくそのまま水音を立てていると、宮部はトロンと表情を緩ませた。
お互いに細い唾液の糸を繋げたままその少し潤んだ黒い瞳を見つめる。
だが、宮部は俺の肩口を両手で掴んで隠れるように俺の鎖骨に顔を押し付けた。
「宮部?」
引き剥がして顔を覗こうとしても宮部は頑として動かない。
「どうした?」
離すのは諦めてそっと抱き締めると、宮部は少しだけ力を抜いて俺に凭れかかった。
「あの……村瀬くんが大事にしてくれてるのはわかる。凄く……嬉しいよ」
俺にくっついたまま言いにくそうに、言葉を選ぶように話し始める。
「でも……」
宮部は言葉を区切って黙り込んだ。
「何?何かあるなら言え。……本当は挿れられるの嫌……とか?」
「ううん……そりゃ、怖いし、不安はあるけど……違う」
まだ顔を上げないまま宮部は手をスルスルと下ろして俺のシャツの袖を掴む。
とりあえずホッとしつつ他の何かを考えた。
「え、まさか……やっぱり男は無理とか……」
「違う!そうじゃない……」
パッと顔を上げた宮部。
泣きそうなその目を見つめて俺はそっと両手でその頬を包んだ。
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