104 / 117
104
「“琉生”」
宮部をソファーに押し倒して鎖骨が見えるほど服を捲ってやる。
「へ?」
「お前、誰にだって苗字呼びじゃん?“琉生”って呼べよ」
服を戻そうとする手を退けて小さな右の突起を口に含んだ。
「る……んっ……何……か、恥ずかし……」
ピクッと反応をしながら吐息に熱が帯びてくる。
「何で?」
「あ、っ……何でって……」
舌で転がしながら軽く歯を立てると、宮部はビクンと跳ねて俺の頭を抱えた。
「呼んで欲しいけど?」
そこから顔を上げて宮部の目を見つめると、宮部は切なそうに眉を寄せる。
「お前の口でちゃんと呼んで?」
じっとその目を見つめて全ての動きも止めた。
宮部の顔はどんどん赤くなっていって、急にグイッとびっくりするくらいの力で抱き締められる。
ニヤけかけた俺の顔が宮部の胸に押し付けられた。
息苦しいほどの力で押さえられて戸惑っていると、
「……る、い……」
小さすぎてギリギリ過ぎる声が耳に届いた。
たったそれだけなのにじわっと胸に温かいものが広がる。
めちゃくちゃ嬉しくて、宮部にもこの幸せを感じて欲しかった。
少し押さえられていた力が緩んで、俺は顔を上げてその口を塞ぐ。
そのまま手は宮部のベルトを外しても、宮部は逃げることはなかった。
チャックを開けて下着の上から触れるだけで、そこは既に熱を帯びてしっかり反応している。
暴走しかけるのを理性で必死に抑え込んで、宮部を導くことだけを考えた。
ともだちにシェアしよう!