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第4話 海斗side親友の洸太

最近洸太が変だ。妙に赤い顔をして落ち着きがない時がある。体調でも悪いのか?でも俺が心配して顔を見つめると慌てて元気な顔をするんだ。 俺の親友の洸太は、高校に入学して直ぐに仲良くなった奴だ。口下手な俺は、実際愛想もないから、あんまり話しかけてくる奴はいなかった。でも隣の席になった洸太は、小動物みたいなくりっとした眼差しで俺を見て、ニカッって笑って話しかけてきた。 洸太は愛嬌があって、直ぐにクラスの皆からマスコット的な扱いを受けるようになっていた。確かにアイツは、見てるだけでほのぼのすると思った。 悪意が一切ない洸太は、なぜかやっかみを受けがちな俺にも真っ直ぐな好意を寄せてくれた。 お互い会話の相性が良かったのか、俺たちはすぐにクラスメイトたちからも親友枠へと認定されたみたいだ。明るくて、ちょっとおっとりした洸太が俺の側で楽しそうにするのは、俺も癒されてる気がした。 高二のクラス替えの時に、俺は洸太と離れませんようにって必死に祈っていた。洸太は俺にとっては、人生初めての心許せる相手だったんだ。 神様のご慈悲があったのか、幸運な事に俺たちはまた同じクラスになった。その日、駅までの道中洸太が、満面の笑顔だけど少し顔を赤らめて言ったんだ。 「僕、まじで嬉しい。海斗と別のクラスになっても仲良く出来るとは思ってたけど、やっぱり同じクラスの方が最高だからね。それに、他の奴と仲良くしてる海斗見るのはちょっと胸が痛くなりそうだったから。はは、良かった!」 俺はその瞬間、何だか胸がぎゅっと締め付けられて、思わず手のひらで心臓の動きが悪いのか?って撫でたくらいだ。でもそれから洸太と一緒にいると、そんな風に心臓がぎゅっとなることが増えた気がした。 そして今日、最近様子のおかしかった洸太に、思い切って体育の時の事を聞いてみた。赤い顔をして胸元を気にしていた洸太の事を一部の男子がヒソヒソと面白おかしく話してたのを聞いてしまったんだ。 『みろよ、真鍋の胸。ヤバくない?あれ。恥ずかしい奴。』 思わず洸太の胸元を見ると、体操着にあれがツンと浮き上がってる…。それを見た時、俺は何だか見ちゃいけないものを見てしまった戸惑いと、もっと見たいという妙な強迫観念を感じて、ドキドキしてしまった。 …何だこれ。自分の感じたこの気持ちがよく分からなくて、最近洸太の様子がおかしかった事もあって、思い切って昼休みに洸太に尋ねたんだ。

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