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into u;3;桂
少し前には彼女がいて、まあなんというかそれなりに、恋愛を楽しんでいた。いろいろあって終わってしまったけど、機会があるならまた彼女ができたら、楽しいだろうなあと思う。……そういう感じだ。
いわゆる「普通」に…自分は男で、女性を好きになる。ただそれだけのこと。なんにも特別な意識をしたことがなかった。
はあ、
…と、なんとも気の抜けた溜息…になりきれない…変な声が出た。
大沢先生のいろんな表情が頭から離れずにいる。
環に向かって少し荒い口調で話す時には目を大きく見開いて、わざとらしく怖い顔をして…それから、ふにゃっと笑う…それに、横顔もきれいだった。美しい、と思った…
初めて会った人を、こんなに好きだと思ったことなんてあったっけ?多分ない。
ずーっと眺めていたい。俺にとって本当に好みの雰囲気なんだろうな、大沢先生が。
くるくると変わる表情とか仕草。
環が「猫ちゃん」と言っていたけど、正にそんなふうに見える。かわいいなあ、
……男性にこんなこと思うなんて、…大沢先生、気持ち悪がるよな。露骨に表情とか態度に出ないように気をつけよう。
シャワーを浴びて、少し冷静になった。
……そもそも、保健室に行くことだって俺はあんまりないわけだし、
「はー………」
会う機会もないのか、残念……
…全然冷静になってないし俺、
ふと竹井に飲みに誘われてたことを思い出した。
まだ人数空いてたら行くよ、と、メッセージを送った。
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