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into u;15;桂

環はクローゼットの中から、トレーニング用に着ている鮮やかな緑のジャージの上下を選んで、洗面所に入った。シャワーもしていいからね、って言うと、環はありがとうって笑った。 待ってる間にピザを注文した。 「ありがとう、お借りしました!」 顔を上げたら、環がにこにこしながら立っている。髪はふわふわになっていて、袖がいわゆる萌え袖に…!なんでこうも俺が着るのと違うんだ… 「桂?」 「なんで俺の服着ただけなのに、こんな印象違うの…?」 「体格違うからじゃない?」 「それだけなのかなあ?」 「こういうジャージ着ないから新鮮で楽しい!高校生以来だ」 「部活来るとき着ればいいじゃん」 「えー」 「あげるよそれ、気に入ったんだったら」 「えー!!いいの?やったあ!」 一緒に働いてきた環とは違う。 とても柔らかくて、それからのびのびしているように見える。よかった。心の底からそう思う。 環はスマホを持って、俺の隣に座った。 「桂も一緒に撮っていい?」 「いいよ」 適当に隣でピースしたら笑われた。 「よし、ソノちゃんに送った」 「え!!」 「自慢しといた。わ、一瞬で返信来たよ!『なんだこの写真』だって!返しとこ。『かつらにふくもらったよ』」 「大丈夫かななんか…怒られるんじゃないの、大事な環に何してくれてんだ!!って」 「いやー?うわ、電話かかってきた!出ても平気?」 「出て出て!」 環はスピーカーにして通話し始めた。 『環!』 そのさん、めっちゃでかい声じゃん… 『なんなのこの写真!!』 「桂の家来てるんだけど、貰ったんだよ」 『いや何があって服を貰うことがあんの』 「話しちゃった、わたしのこと」 『…おお、』 「それで貰った」 『?いまいち話が繋がらないけど…?』 「桂、隣にいるよ」 『あー』 すっごいうんざりした感じのトーンで言われたけど!!

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