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夏休み明け直前に、合格通知が来た。
「え!すごいじゃん!!おめでとう!」
保健室に行ってソノに報告した。
「合格したにしては、テンション低くない?」
「嬉しいんだけど、ホッとしたって気持ちの割合が高い」
「なるほどね」
「でもめちゃくちゃ嬉しいけどねーっ!ハグしよ」
「はー?」
ハグした。
「環には報告したの?」
「………ん?」
「喜ぶと思うけど」
「そんなわけないじゃんなんでよ。担任でもないんだし。へーって感じじゃん?」
「そう?」
汗かいてきた。
俺、別に夏目先生のことを好きだって話してない。しちゃったことは話した。けど、誰にしたのかは言わなかった。
「俺は仲がいいんだよ、環と」
「あーーーーーまじかよ知ってんの」
「知ってる」
「軽蔑する?」
「なんで軽蔑?」
「だって微妙じゃんいろんなとこが」
「なんでよ。別に誰が誰を好きと思ってもいいじゃん。その思いをどういう形でいつ表すかってことについては、何かしらの問題を孕む時もあるだろうけど」
「孕むんじゃん」
ソノは唇の端を上げて笑った。
「やーーー、……夏目先生、ソノに愚痴ったってことでしょ?」
「愚痴ではない」
「キレてた?」
「生きてて一回もキレたことないよ環は」
「………ああ」
やってしまった。
渡辺君いるじゃん?あの子に前なんかキスされたんだよやばくない?男だよ?しかも外だし。それに立場分かってんのかなあ。普通先生にそんなことする?引きすぎてなんも言えなかったわー。あ!そうだ、カーディガン貸したのそのままじゃん。ほんと最悪。返してとか言いづらくない?あーあ。ソノちゃんどう思う?
……って、言ったのかもしれない。
頭の中で、夏目先生の柔らかい声で再生された。
「そうだ、カーディガン…夏目先生に借りっぱなしだ」
「そうなの?返せば?」
「……ソノさあ」
「やだ」
「えーーーー」
「自分で返せ」
ソノはそっぽを向いて、仕事仕事!とか言いながら行ってしまった。
………あーあ、最悪
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