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swear;42;都

「ソノー」 「おお!…お前ノックしろよ」 「ごめん。あのさあ、やっぱりこれ、夏目先生に渡しといてくれない?」 パソコンに向かうソノに、紙袋を差し出した。 「服?」 「うん。今テニス部まで行ったんだけど、無理だった」 「部活終わってから渡せばいいじゃん」 「なんか見てたらさ、俺、嫉妬してるって思った」 「なんで?」 「部員の人にアイス渡してたんだけど、にこにこ笑ってて。すごいかわいいって思った。けど、それって他の人に向けられたものじゃん」 「それで嫉妬だ、って?」 「うん。どんどんおかしな方に行ってる。一旦落ち着かないとだめだと思う。こんな変な暴走し始めたら、もう好きでいることもできなくなる」 ソノは紙袋をつかんだ。 「分かった。渡しとく」 「うん、ありがとう」 それからくすくす笑い出した。 「…はは、なんかお前あれだね、狼男とかそういうのみたいだね」 「えー、なんで?」 「変身したら、いくら大切な人だとしても訳わかんなくなってるから襲っちゃうだろ?だから理性があるうちに遠ざける、みたいな」 「……それ喜んでいいの?」 「いいよいいよ」 「うーん?」 「俺は都みたいに冷静でいられる奴のことは好きだし尊敬する」 「めっっっちゃ褒められた!」 「だろ?本心だよ」 「わー、なんか嬉しいからハグしよ」 イスの背もたれごと抱きしめた。 「うわ、やめろ」 「やめない」 腕に力を込めた。 「お前は細いくせに割と力あるんだな」 「割とね」 がしがし頭を撫でられた。荒いんだ撫で方が! こんこん、がちゃっ、「失礼しまーす」 って、ノックの音とドアが開くのと、声がするのが全部同時だった。俺はソノに抱きついたままで、ソノは俺の頭に触ったままだった。 「あ……」 俺はソノ越しにドアの方を見た。 口がぽかんと開けて、夏目先生が立っていた。 ソノは体をよじって、俺の腕から抜け出して振り返った。 「あ、なんだ、どうしたの」 「…あ…アイス余ったの食べないかなあって思って」 「都、もらったら?」 お前、狼男みたいだね ってソノがさっき言ったのが脳裏をよぎった。 「いや大丈夫です失礼しました」 保健室を出た。 いやだいぶ失礼なことしたよ俺、焦ってたとはいえこんなのないよ、ソノにも失礼だし、夏目先生にもそう。これはこれである意味すごい取り乱してる。キスしたのとは違うベクトルの取り乱し方だ。どうしよ、どうしたら落ち着けるんだ俺

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